先月に旅行がてら「安達としまむら」の聖地巡礼に行ってきました。同作では女子高生である安達としまむらの尊き日常が、岐阜県本巣市を舞台に描かれます。岐阜・名古屋の聖地を一日掛けて丁寧に取材してきたので、写真とともにお伝えしていければと思います。
大垣駅
「聲の形」等の舞台にもなった大垣市へ。名古屋駅から東海道本線に乗り継いで豊橋方面に向かい、大垣駅で下車します。第 9 話「そして聖母を抱擁する愛 マリーゴールド」で、2 月 14 日の放課後に安達らが名古屋へ向かう際の乗換駅として登場しました*1。電光掲示板は液晶のものへと更新されています。
あだしまが駆け込んだ 4 番線ホーム(大垣ダッシュと呼ばれるらしい)。大まかな構図や車両の様子が再現されています。
舞台の中心地である本巣市へ向かうべく、樽見鉄道樽見線に乗り換えます(駅舎は JR と樽見鉄道で共用)。うっすらと残る雪にワンマンの気動車が映えますね。Suica 等の IC カードには非対応で、切符を用いて乗車するか、車内で整理券を受け取って降車時に精算します。
北方真桑駅
大垣駅から 5 駅、20 分弱で北方真桑(きたがたまくわ)駅に到着しました。背景に雄大な山々が立ち並びます。
国道 303 号線沿いを 5 分ほど歩くと、安達らが通う高校の舞台となった岐阜第一高等学校が右手に現れます。推薦入試の実施日で、人の気配はほとんど感じられませんでした。作中においても、中央に見える時計台(ではなさそう)のような建物や、校舎の外観が再現されています。
高校の裏には一級河川である糸貫川が流れており、第 4 話「女子高生ホリデイ」で、カラオケへと向かう安達がこの河川敷を駆け抜けていきます。なお、しまむらとの集合場所である岐阜尻毛郵便局*2は高校から 4 km 程度距離があります。田舎の女子高生、体力つよい……
再び 303 号線に戻ると、リカーマウンテン 北方店が出現。店内はビールやウイスキー、ワイン等を取り扱う品揃えの良い酒屋でした。前述の第 9 話で大垣駅に向かう際、下校時のシーンにこの交差点が登場します。
モレラ岐阜
交差点から大通り沿いを歩き進め、モレラ岐阜に向かいます。モレラ岐阜は南北に 0.5 km ほどある大規模なショッピングセンターで、作中でも幾度となく登場するシンボル的存在です。第 6 話「ホワイト・アルバム」でクリスマスデートに来たり、第 8 話「過去を紡ぐ茨 オールドローズ」では映画を観に来たりしていますが、実際にも飲食店や映画館が数多く入居する、岐阜県最大級の商業施設*3のようでした。三角形のエントランスが特徴的です。
第 9 話、しまむらとしりとりをする安達が「す」に続く言葉に窮して「スガキヤ!」と叫ぶシーンがあります。というわけで昼食はフードコートのスガキヤに…… 8 番らーめんを思い出す味で美味しかったです。週末は多くのファミリーで賑わっていました。
ショッピングモールは南北に長く、北側からゴールデン、ホワイト、ローズ……と色名を冠したゲート(出入口)が東西に配置されています。同様に館内中央には「ゴールデンプラザ」のような名称で円形の広場が幾つも存在しており、作中では待ち合わせ場所としてブループラザが登場します。クリスマスには巨大なクリスマスツリーが設置されるようです*4。いいな〜
こちらがブルーゲート。あだしまが座っていたベンチ。
あだしまが乗り(なかば強引に)手を繋いだエスカレータ。
第 3, 6 話に登場したラウンドワン。あだしまが対戦した(かもしれない)黄色のエアホッケーも設置されていました。
ビアードパパやハンバーガーショップ(現実ではケンタッキー)も実在します。
第 11 話「月と決意と 決意と友と」で、進級後にしまむらとの関係に思い悩む安達がエキシャーマンと出会ったのもこの地です。ゴールデンゲートから屋外に出ると出現します。室内同様、かなり高い精度で再現されています。
見延公園
第 6 話でクリスマスプレゼントに貰ったブーメランを試した公園です。個人的に第 6 話はかなり好きなエピソードなので激アツポイントです。
作中では電飾に灯されたショッピングセンターのイルミネーションが夜空を彩り、二人の今後を占うかのような幻想的なシーンとして描かれていますが、実際にはモレラ岐阜は公園の反対側に位置しています*5。
「私は、しまむらのことが好きで、こう、好きで、好きで…… しまむらの、友達になりたくて (中略)それくらいの友達じゃなくて、一番の友達になりたい。」
クリスマスだからと、劇的なことは起こらない。きっと、今日という日は、良い思い出にならない。なにしろ頭が真っ白になってばかりで、記憶どころじゃなかったからだ。景色を雪が覆い隠すように。ホワイトアルバムがあったことだけを鮮明に刻み込む。
出典:「安達としまむら」第 6 話
想作 新中華料理 昇龍
安達がアルバイトをしていた中華料理屋です。第 2 話「安達クエスチョン」では、チャイナドレス姿で勤務中の安達がしまむら一家との邂逅を果たします。モレラ岐阜から岐阜バス「山県モレラ線」に乗車して福光南町で下車した後、金華橋方面へ歩みを進める最中に出現します。外装やメニューは一般的な街中華という感じでしたが、リーズナブルで味も美味しく、ボリュームがあって満足感が高かったです。岐阜駅周辺に行く機会があればまた訪れたいと思います。ニラレバ定食(950 円)を注文。
金華橋を渡って岐阜駅へと向かいます。
アスティ岐阜
第 2, 9 話に登場するアスティ岐阜。岐阜駅直結です。関東民には馴染みがなかったのですが、「アスティ」は JR 東海の駅を中心に展開される駅ナカ商業施設のようで(アトレみたいなもの?)、大垣駅にも併設していました。あだしまが寄りかかっていた、特徴的なタイル張りの外壁はアニメでも再現されています。作中で通り掛かった成城石井やマツモトキヨシも施設内に存在します。
放課後にミスタードーナツで買い食いする場面があります。しまむらチョイスのエンゼルフレンチは売り切れていたため、フレンチクルーラーを購入*6。
名古屋駅桜通口
第 9 話、あだしまやしまむら・樽見ペアは名古屋駅の 3 番線ホームに到着し、バレンタインデーチョコを求めて桜通口方面へと向かいます。中央に設置された金時計がシンボルで、この日も待ち合わせに集まる多くの人々で大混雑の様相を呈していました。
ジェイア一ル名古屋タカシマヤ
年末に何かと話題になった高島屋。時期がちょうど 1 月下旬に重なったため、日本一の規模のバレンタインイベントである「アムール・デュ・ショコラ*7」が開催されており、10 階の特設会場は多くの女性客で賑わっていました。あだしまもこのイベントを目当てに名古屋まで訪れています。
安達の「あ、じゃあ、いま食べよう!」との提案によって、チョコを交換してお互いに食べたエスカレータ周縁のベンチ。ベンチは撤去されていました、残念…
名古屋駅駅前広場
桜通口を出てすぐの広場、第 9 話で「これからも仲良くしていこうね!島村抱月」とメッセージが流れた場所です。電光掲示板は実在しませんが、2 人が見つめていた案内板は確かに存在します。
アニメ放送当時は存在した駅前のモニュメントである飛翔は、2021 年を持って撤去*8されていたようでした。放送から時間が経つにつれ、徐々に舞台が画面の中だけのものへと変わってしまうのは惜しいものです。
むすびにかえて
あだしまを育んだ舞台の街をのんびりと、存分に堪能してきました。初見で不慣れな土地であることに加えて、各地点が離れている*9ことやモレラ岐阜が想像以上に広かったこともあり*10、丸一日掛けても全箇所(土貴野小学校等)を回り切りれなかった点が悔やまれます。アニメ版では、今回訪れた中京圏のほかに東京都の田無駅周辺も何故か登場しています。余力があれば次回は聖地巡礼記(東京編)をお送りする予定です。
記事中に掲載した画像(引用を除く)に関しては CC0 で公開します。
*1:あだしまらは 北方真桑→大垣→名古屋 と経由したため、今回はその逆ルートを辿る
*2:時間の都合で断念
*3:http://www.burantasu.com/sc/list_p_all/cyubu/gihu_ad_1.html
*4:https://twitter.com/houou56/status/534330143687196673
*5:モレラ岐阜から公園側に抜けるルートが 1 箇所しか存在しないことに注意。樽見鉄道の「モレラ岐阜」が近辺に位置します
*6:「あめ〜!」
*7:https://news.yahoo.co.jp/articles/bc668997c5e8f8bfc14d821cbb2d7369a0398a1f